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響きの縄跳び

弦楽器の響き

弦楽器は弦を弓で擦って音を出しますよね。
同じように擦っているのに、弾き手によって音色が違うのは何故でしょうか?
歌なら人それぞれ持っている楽器が違うので、違う声がするのは当たり前だし、管楽器も、楽器プラス吹き手の唇や口の中の具合、息の出し方である程度違うのは予想できますよね。(多分)

弦楽器の弦はこすられたら、
弦が膨らむんだそうです。と、言っても本当に膨らむというよりも、こすられたことにより縄跳びの縄のようにビュンビュン回って振動してそう見えるんだそうです。
その振動が音の強弱や音色の質を決めます。なので、一度振動させたら今度はその振動の邪魔をしないように弓を弦に吸い付かせるように当てるんだそうです。
どれも実際に自分で弾いて経験したことではないので、聞いた話の域を出ないのですが…。

声の響き

それは、つまり歌うことも同じだと思います。
最初は、骨盤低からの呼気の支えによる流れで息を声帯に通過させたあと、ずっと力を入れ続けるのではなく、上半身を解放しながら体全体の響きを邪魔しないように骨や空洞を鳴らしていく…。
簡単ですが、むずかしい話です。
上手くいったときは、いつまででもそのフレーズを続けることができます。
それを上手くやるためには、最初の息のスピードと高さが必要になります。
息のスピードは早ければ早いほど、声帯を素早く通り抜けます。そうすることによって、声帯への負担を最小限にとどめます。
噴水の上で回り続けるピンポン玉のように、響きは軽くふわりと回り続けるのです。

その状態をキープするには、力を入れすぎても駄目だし、ましてや、無力でも駄目です。
プラスマイナスがちょうどゼロになる地点。それが一番の場所です。
前後左右上下、全てが丸い円になって均衡がとれている状態。
目指すはそこです。
そして、そこは息が高くて早いほど、大きな円の真ん中なのです。

そんな声、響きを目指して今日も、悪戦苦闘しています。